口腔ケアの実践
症例
症例1 ICU患者の口腔内
全身状態:全身状態 意識障害、気管切開、胃瘻造設
口腔内の状態:唾液停止により口腔乾燥、舌や口蓋に剥離上皮堆積、口臭強
症例2 要介護者5(寝たきり)の乾燥した舌と保湿した舌
全身状態:意識障害、気管切開、胃瘻造設
口腔内の状態
常時開口状態による口腔乾燥舌、
可動性がなく、固く拘縮粘膜ケア時の出血痕
口腔内の状態
常時の保湿を実施。湿潤剤を利用して、粘膜ケアを実施
症例3 COPD患者
在宅酸素療法を受けており、口腔乾燥が高度で粘膜の脆弱化により、疼痛が強い。そのため、義歯が16年使用できなかったが、口腔湿潤剤の使用により、粘膜の改善が得られ、義歯を使用できるようになった。
※COPD Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺) Disease(疾患)の略で、肺への空気の出し入れが慢性的に悪くなり、ゆっくりと悪化していく病気です。これまで「慢性気管支炎」「肺気腫」と言われてきたものがほぼ含まれます。(COPD情報ネットより引用)
症例4 シェーグレン症候群患者
79歳女性。2.3年前から口腔乾燥感を自覚しはじめ、徐々に悪化し、半年前から味覚障害と舌痛があった。投薬により口腔乾燥と舌痛が改善されたが、味覚障害は改善されなかった。投薬と口腔湿潤剤の併用により、10日で味覚障害が改善された。
症例5 ドライマウス患者
73歳女性。5ヶ月前から口腔乾燥感・味覚異常が出現し、Candida albicansが104CFU検出された。抗真菌剤を処方したが改善されず、口腔湿潤剤の使用により、症状が改善され、カンジタ菌も5CFUまで改善された。
症例6 舌痛症患者
舌痛症状が強く、刺激物だけでなく、塩分を含むのも痛くて口にできない状態で、義歯装着も痛くて出来なかった。器質的な疾患は発見されなかったが、口腔湿潤剤の応用により、1週間で義歯の装着が可能になった。