REPORT No.2 
はやし歯科医院

  1. ごあいさつ
  2. 歯科医院概要
  3. 訪問診療・口腔ケア
  4. ビバラック導入のきっかけ
  5. この人に注目
  6. 最後に

はやし歯科医院です!


はやし歯科院長
林 徹 先生

 

歯科の訪問診療自体まだ少なく、ましてや歯科医、歯科衛生士による居宅管理指導を行っている医院はごくごく少数であるのが実態でありますが、今後多数の残存歯(欠損がわずか)を有する要介護者が増え続けるため、口腔ケアは不可欠なことになっていくと思われます。誰が担うのでしょうか?どう考えても歯科関係者が担っていかざるを得ません。
しかし個人で訪問診療を行っていくには限界がでてくるので、歯科医師会を通じ医師会・介護支援センター・訪問看護ステーションとの連携を積極的に行っていきたいと思います。




■歯科医院概要■

■基本Date
郵便番号・住所 〒206‐0001 東京都多摩市和田3-2-3
TEL・FAX 042-375-8840
交通 交通 京王線 聖蹟桜ヶ丘駅
バス多摩センター行愛宕東下車  徒歩1分
診療内容 一般歯科  小児歯科  訪問診療
診療時間 9:30〜19:00
受付時間 9:00〜18:30
休診日 木・日・祝日
院長名 林 徹
スタッフ 歯科衛生士:1名 歯科助手:3名 その他:1名
診療方針 保険診療で形態回復のみではなく機能回復を目的とする
■訪問診療Date
件数・頻度 3件 週2回
体制 歯科医師+歯科助手:週1件 
歯科衛生士のみ:週1件 
訪問診療時の道具 ■ビバラック
■ポータブルユニット
■治療道具
■口腔ケア道具
■その他 
■OtherDate
院長先生その他の活動 八南歯科医師会理事
多摩歯科医療連携委員
多摩歯科医師会副会長



■訪問診療・口腔ケア導入のきっかけ■

ビバ子:それではまず、訪問診療を始められたきっかけからお聞かせください?
林院長:はい。実は以前より介護に興味があり、何かきっかけがあれば訪問診療を行いたいと思っていたところ、7年前に多摩市の訪問診療事業が開始されました。
その際に市の要請を受け訪問診療を始めたのがきっかけでその後(訪問診療事業終了後)も継続して実施しています。
ビバ子:ちなみに訪問診療開始時から口腔ケアは実施されていたのですか?
林院長:いえいえ。残念ながら口腔ケアを始めたのは今から1年前になります。
訪問診療当初は根管治療を要する患者さんが多数で、治療に長期間かかり、お恥ずかしい話、口腔ケアまで考えが回らなかったんですねぇ。
今では訪問診療後、口腔衛生を保つ為、自然の流れで口腔ケアを始めました。
ビバ子:先生が実際に口腔ケアを行っているのですか?
林院長:当医院では、口腔ケアを専門としている歯科衛生士に任せています。
ビバ子:先生の治療と衛生士さんの予防(口腔ケア)で患者さんにとって心強いですね。




■ビバラック導入のきっかけ■
ビバ子:それではビバラックを導入したきっかけをお聞かせください。
林院長:以前は訪問診療時に、ポータブルのバキュームを使用し口腔ケアを行っていましたが、大きく、重たく、音がうるさかったのであまり満足していませんでした。
そんな中、当医院でもいよいよ本格的に訪問診療時の口腔ケアを開始する事となり(約1年前)、衛生士が一人でも簡単に持ち運びができるモノを!と思いビバラックを購入しました。
ビバ子:お使いになられていかがでしょうか?
田中衛生士はい。実は以前から目をつけていたビバラックでしたが、実際に使ってみると使用後の手入れも簡単ですね!
ビバ子:ありがとうございます!限られた時間の中で準備からケア、片づけを終わらせる為には、便利ですよね!!そういった点も考えて開発いたしました。
林院長 :それは確かに重要ですよね。訪問診療での診療は診療室での診療と異なり器具・機材が多くなるためどうしても運搬、準備が大変になります。
今後もっと、手軽で便利な訪問診療で使える器具がたくさん開発される事で訪問診療の質の向上にもつながりますね。東京技研さん、よろしくおねがいします。
ビバ子:貴重なご意見ありがとうございます!まさに先生のおっしゃるとおり、訪問診療の向上には業種を超えた”連携”が必要だという声が多方面であがっていますね。
そんな中で微力ながらもお手伝いできるよう頑張ります。


ビバラック導入前
歯ブラシのみでの口腔ケアでは、吸引がないため口をゆすぐ回数が多く時間がかかる。
唾液の多い方の場合、特にケアが困難で時間がかかった・・・
ビバラック導入後
注水と吸引を同時に行え、食物残渣・プラークの除去に効果的。
唾液の多い方にはケア時のバキュームのみとして活用している。

唾液の多い方にはケア時の誤嚥防止に大活躍

■この人に注目■
DATA
氏名 田中 晴美

動きやすく”ポロシャツ”と”パンツルック”の笑顔の素敵な田中歯科衛生士さん
役割 歯科衛生士
その他の活動 グループホームでの口腔ケア(火曜日)
療養型病院での口腔ケア(木曜日)
こんにちは! 先生の治療と連携をとりながら計画を立て、また患者様のお話も伺いながら衛生士業務を行っております。必要な方にはPMTCも行います。
患者様からも気軽に声をかけていただける、スタッフ全員がとても明るい歯科医院です。

INTERVIEW
ビバラックの良い点は?
唾液の多い方にはケア時の誤嚥を防ぐ為、バキュームを併用できる。
ビバラックへの今後の希望は?
特に食渣が多い方の場合に、ホースに食渣が詰ることがある。
また、同様に特に食渣が多い方の場合、注水回数が必然的に増えるのですが現状のポンプの容量では補充回数を増やして対応するしかない。大きいサイズのポンプがあれば便利。
先生との連携もバッチリ!
 
院内と訪問診療時で特に異なる点は?
診療室内では、患者様を待つ側ですが、訪問診療は伺う側になるので、相手に迷惑をおかけしないよう、玄関を入るときから出るときまで口腔ケア以外にも神経を使って仕事をすることです。
(上)ポータブルユニット
(中)ビバラック
(下)コンプレッサー
その他、治療に必要な道具
(全てあわせると持ち運びに3人必要!?)
『限られた時間内で質の良いケアを行う為には準備』と準備に余念のない田中さん
 
口腔ケアを行う際、気をつけていること、心掛けていることは?

口腔ケアを行う前に初めての時は私を受け入れていただけるように、まずお話しからさせていただき、少しづつ回数を重ねながらケアを進めています。
ケアの際には誤嚥に十分注意し、患者様に無理のないようにと心掛けています。
『まずお話から』と、コミュニケーションが口腔ケアの第一歩。
 
介護の社会に携わってみて・・・

介護の社会の中で口腔内に興味をもって頂くのはとても重要ですが現実ではそこまで目を向けることが少ないと感じました。ケアを繰り返すことで口腔内が清潔になる気持ちよさをわかっていただけるようになり患者さんの方からも反対に気になるところをいってくださるので関心度が高くなっていると思います
『田中さんが来るのが楽しみ』と、水越さんの口腔内はケアが行き届いており残存歯が多いです。


 
■ビバラック利用者の声 ■
介護の社会に携わってみて    田中晴美
口腔ケアとして、訪問に行き始めて1年ほどになります。
口腔ケアの対象者は脳血管障害などの四肢障害のある方です。口腔ケアは歯ブラシ、歯間ブラシなどを中心としたケアになりますが、ケア時には食渣、プラーク、唾液での誤嚥には、十分注意が必要となります。その点で、ビバラックを使用すると、誤嚥防止が出来、洗口回数も減り、負担を少なくすることができます。また食渣が多い時などは、誤嚥の危険性も高くなりますが、ビバラックの注水・吸引機能を同時に使用し安全に行っています。ビバラックを使用することで、訪問先の方にも、口腔ケアに対して関心、興味を持っていただける、よいきっかけにもなっていると思います。




■最後に・・・■

『質の高い口腔ケアをめざして・・・』
ビバラックレポート第二号は、東京都多摩市でご開業されている『はやし歯科医院』に訪問し、この歯科医院で実施されている訪問診療に同行させていただきました。
はやし歯科医院ではビバラックを林院長先生の行う治療時のサクションとして、また田中歯科衛生士さんの行う口腔ケア時にご使用されています。
今回は口腔ケアを行う田中歯科衛生士と一緒に患者様の水越勇様のお宅へ訪問させていただきました。
設備の整った診療所を離れて、患者さんの家の中でお口の中をきれいにするのは歯科の知識だけではなく介護の知識や経験が必要となり、専門家の歯科衛生士の方でも困難なこととなります。
例えば、患者さんの家には歯科用のイスがないので、要介護者の体勢を疲れないさせないよう、かつ、口腔内が見やすくするのは難しくなります。
また、口腔ケアを行うと、刺激により唾液の量が多くなってしまうため、吐き出させるために体勢を起こしたりするのは、要介護者には負担がどうしても多くなってしまいます。
そこでビバラックの注水・吸引機能を同時使用することで、体勢を変えず行えるので負担を減らし、口腔ケア自体の時間の短縮にもつなげることが出来ます。
 田中さんはたくさんの知識と経験とビバラックを利用することにより、困難な在宅での口腔ケアの中でも、確実に誤嚥を防ぎ、患者様に身体的・精神的な負担をかけずに専門的な口腔ケアをされていました。
水越様も『田中さんに口腔ケアをしてもらうと気持ちがよく、今では1番の楽しみ!!』と。
さすが、水越様の口腔内にはたくさんの歯が残っていて、とてもきれいな状態でした。

このように、ビバラックは一般の方はもちろん、専門家の手にかかれば患者様に負担をかけずに確実に誤嚥を防ぎながら口腔ケアが出来ます。
このレポートを見ている歯科衛生士さんにもビバラックを使った専門的な質の高い口腔ケアを
介護の世界に広げていただきたいと願います。


鞄結梛Z研 歯科衛生士 中山かな子

ビバ子のワンポイント口腔ケア用語!
Q1.訪問歯科診療
A1
訪問診療とは、病気や障害のため、歯科治療が必要であるにもかかわらず、医療機関に通院出来ない方々のために歯科治療を提供するサービスで、1980年代はじめ、一部の自治体で開始したことが発端と言われています。
Q2.居宅療養管理指導
A2
介護保険の居宅サービスのひとつで、 居宅要介護者などについて病院、診療所または薬局の医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士(歯科衛生士が行なう居宅管理指導に相当するものを行なう保健士、看護士、准看護士を含む)、管理栄養士により行なわれる療養上の管理および指導の事をさします。
Q3.PMTC
A3
PMTCはプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングを略したもの。日本語にすると「専門家による機械的歯面清掃」です。(コントラアングルを使うのが一般的)
毎日のブラッシングでは清掃が難しいところを、患者さんに代ってキレイにしてあげます。
磨きにくいところは、むし歯になりやすい危険(リスク)部位。ここを定期的に歯科医院で清掃することで、う蝕(むし歯)、歯周病の予防率がぐんと上がります。