@常時の保湿
1、 スポンジブラシを水で湿らせる。(スポンジから水が垂れない程度に)
2、 スポンジブラシに湿潤剤を適量(2cm程度)取り出す。(下写真a-1)
3、 口唇全体に塗布する。(下写真a-2)
4、 口蓋・頬粘膜・舌などの口腔粘膜全体に塗布する。
※数時間ごとに塗布すると、保湿効果が高まる。
 
A残存歯のケア
A 通常の歯ブラシを使用する場合
1、 歯ブラシに湿潤剤を1cmほど出す。
2、 残存歯全体に薄く伸ばすように塗布する。
3、 歯面と歯と歯肉の境目・歯間部を重点的にブラッシングする。
4、 ブラッシングが終わったら、歯ブラシでジェルをすくい取り、コップの水で洗うか、ペーパータオルなどで拭き取り、湿潤剤を口腔内から回収する。

 

B 注水・吸引歯ブラシを使用する場合
1、 歯ブラシに湿潤剤を1cmほど出す。
2、 残存歯全体に薄く伸ばすように塗布する。
3、 吸引機能のスイッチを入れ、残存歯のブラッシングを行なう。
ブラッシングは、歯面と歯と歯肉の境目・歯間部を重点的にブラッシングする。
4、 ブラッシングが終わったら、注水しながら、湿潤剤を吸引する。

 
B粘膜のケア
a-1.スポンジブラシに湿潤剤を取り出す a-2.口唇全体に塗布する a-3.舌剥離上皮を軟化させる
a-4.スポンジブラシは回転させて使用する a-5.除去した剥離上皮(矢印) b.マッサージは前方に向かって行う
舌の剥離上皮の除去(a)とマッサージ方法(b)
☆看護技術2007年3月号(Vol.53 No.3)
A 剥離上皮の除去方法

1、 スポンジブラシに湿潤剤を少量取り出す。(スポンジは湿らせない。)(上写真a-1)
2、 除去したい剥離上皮に口腔湿潤剤を塗布する。(上写真a-3)
塗布は少し圧力をかけて、広げる気持ちで、後方から前方に向って塗布すると垂れにくい。剥離上皮が厚く、乾燥している場合は、塗布して軟化させながら、何回か行なう。
3、 保湿、軟化した部分からスポンジブラシを回転させながら、からめ取るように除去する。除去しにくい剥離上皮は、スポンジのエッジ部を利用し、前方に向ってはがす。(上写真a-4)
4、 スポンジブラシに付着した剥離上皮を洗い流すか、拭き取る。
(利き手でスポンジブラシを保持し、反対の手でカーゼなどを持って行なうと、効率的です。)
5、 湿潤剤を口腔粘膜全体に塗布して、保湿をする。
 
B 粘膜のマッサージ方法
1、 スポンジブラシを水で湿らせる。(スポンジから水が垂れない程度に)
2、 スポンジブラシに湿潤剤を適量(2cm程度)取り出す。(上写真a-1)
3、 口蓋・頬粘膜・舌などマッサージを行なう場所に、口腔粘膜全体に塗布する。
4、 後方から前方に向ってマッサージを行なう。湿潤剤は、垂れないように少量ずつ使用する。(上写真ba)
5、 刺激唾液が認められたら、誤嚥を防ぐために、湿潤剤の量を少なくする。
※ ケアを継続すると、唾液が出るようになることがある。